九頭竜川下流地区は、九頭竜川両岸にまたがる福井・坂井平野に位置し、受益約11,600haの稲作を中心とした穀倉地帯を形成しています。鳴鹿大堰からの水路網は全国でも有数の規模であり、古い水路系統は数百年以上前に形成されました。
国営かんがい排水事業および附帯県営事業等により老朽化した開水路をパイプライン水路に作り変えました。これにより、水管理の合理化を図ることで水を節約し、塩害や水不足で苦しんでいる地域にも、鳴鹿大堰から清涼な水を安定的に供給することができるようになりました。また、パイプライン化によって得られる自然圧を利用し、小水力発電施設も４箇所整備しました。

ゆりの里公園は、国営かんがい排水事業の春江北部調圧水槽の設置を契機に、既存の農村公園の機能強化を図るため、散策道・親水路・自然圧の噴水の整備を行うとともに夜には施設のライトアップを行っています。
また、本公園内に農産物直売所(ゆりいち)を整備しました。

足羽川頭首工は、世界かんがい施設遺産に登録された足羽川両岸にまたがる受益約2,000haをかんがいする水源施設です。当該施設は堤長103.7ｍ、堰柱６基のローラーゲートおよび魚道を備えた可動堰で、巻上室は朝倉氏時代の武家屋敷がモチーフとなっています。足羽川用水は古くから農業用水のみならず、地域用水としても高い評価受けており、堰堤の改修と同時に、受益地内の水利施設が持つ地域用水機能を維持・増進する整備が行われて現在に至っています。

堂田川(どうだがわ)は、東郷地区のメインストリートを流れる用水路で、江戸時代の文献には｢堂殿川｣との記述もあり、荘園時代から存在したといわれています。古くから生活用水としても利用されてきましたが、生活排水の流入による水質悪化が問題となり、生活排水と農業用水の分離、水質保全施設の整備、親水施設の整備により地域住民に親しまれる水路として再生しました。
また地域住民による水路沿いの景観の保全活動のほか｢おつくね祭り｣等による地域活性化や地域住民の交流の場として貢献されています。

真名川頭首工は、受益約1,100haの農地をかんがいしている施設です。本施設は、昭和33年に竣工し、固定堰、土砂吐、エプロンの部分改修を行ったが、その後の構造物の機能低下により、平成26年～令和元年に固定堰、土砂吐門柱等はパネル工法による補強工事、魚道は、ハーフコーン等で改修が図れられた。本地域は、豪雪地域でもあり冬期維持用水を流雪・融雪にも利用されている。また、頭首工の機能保全対策工事の実施に合わせ、小水力発電施設も整備しました。

桝谷ダムは、一級河川九頭竜川水系桝谷川の上流部に位置する堤高100m、総貯水量25,000千m3の中心遮水ゾーン型ロックフィルダムです。農林水産省が施工したダムの中では最大級の規模を有し、日野川用水地区の農業用水の他、上水道用水、工業用水の水源および、日野川流域の治水安全度の向上を図る多目的ダムとして大きな役割を担っています。ダムからの放流水のエネルギーを活用して小水力発電所も整備されています。

日野川用水地区は、３市１町に及ぶ受益約5,600haの広大な穀倉地帯の農業用水の安定供給を目的とした地区です。重なる干ばつにより不足する用水を補うため排水路からの反復ポンプが設置されてきたことから、桝谷川の上流部にダムを築造し、日野川本線の取水施設を統合し八乙女頭首工を整備しました。国営・県営事業約17.7kmの幹線用水路パイプラインが整備され、中央管理所にて施設の集中監視・制御を行っています。また、パイプライン整備により得られた自然圧を利用した小水力発電２箇所を整備しました。

越前市白山地区は、昭和45年に1羽のコウノトリが飛来し、日本で最後まで生息していました。その白山地区は標高約250ｍの里山に囲まれた谷内田で構成される小盆地です。
「コウノトリが舞う里づくり」をコンセプトに無農薬・無化学肥料栽培や水田内に造成した生物の退避ビオトープ、水田を利用したドジョウの生息場など営農と生きものが共生する自然再生活動を積極的に行っている地区です。「コウノトリを呼び戻す農法米」、「特選しぶき米」のブランド化も行っています。

敦賀西部地区は、敦賀市近郊の受益約150haを区域とする水田地帯で、狭小湿田、軟弱地盤、かつ慢性的な用水不足を解消することを目的に基盤整備に着手しました。
地域の営農組織(㈱ミライスつるが気比)が目指すスマート農業の導入を前提に、営農の省力化のための、自動給水栓・FOEAS(フォアス)の採用による水管理労力削減、管理道路・管排水路の設置による草刈り労力削減、農道ターンによる作業効率向上など、様々な取組みによる整備を現在すすめています。

宮川地区は、三方を山林に囲まれた谷部が水田として利用されている農業地帯です。
大区画ほ場整備を実施し、農地の集積を進め4つの生産組織が合併し、経営面積約150haの「若狭の恵」を設立しました。現在、多面的機能の活動として「ひまわり」を植栽・緑肥とした地域ブランド「ひまわり米」を誕生させ、特別栽培米の規模拡大や、小学校、農家レストランとの契約販売、園芸作物の導入など、多角的経営を展開しています。
また、多面的機能を担う宮川グリーンネットを一般社団法人化し、小浜宮川土地改良区と若狭の恵の三位一体となった地域運営体制を構築した取組を展開しています。

坂井北部フルーツライン

[ 広域営農団地農道整備事業 ]

あわら市